ミソギ。好きだ。なんて、そんな事本人の前で絶対に言えない。強いて言えるなら…

(その美しい水色の髪を褒めること)

正直その髪を鷲掴みにしていたクラスの奴に怒りを覚えていた。
―――オレのミソギに障るな。その時始終心がざわついていた。
子どもの喧嘩だとミソギに手だしはむようと言われていたが我慢できるはずがなかった。あの髪を前にしたとき、オレは冷静じゃいられなかったんだ。
蹴りにけられボロボロになった身体。ボサボサの髪。それでも強い意志を持ち続けている瞳。オレはミソギを抱きしめただ泣いた。
今思えば、ミソギの忠告なんて無視して排除してやればよかったんだ。
愛しいミソギがこんな姿になってしまう前に。
怪我は治る。髪は手入れできる。だけど、それがどうした?
ミソギだって他里の者だという前に女の子なんだ。オレと同期で、木ノ葉の田舎から来た・・・

ボロボロの顔で笑った、その笑顔は一生残らないオレの傷になった。
今の彼女を例えるなら―――そう、枯れた彼岸花…。
『抵抗したら騒ぎになっちゃう。駄目よそんなの。ありがとね、言いつけ守ってくれて!』
そんな言葉に惑わされてオレは何もできなかった。精神だって彼女はオレと同じ子どもなのに、耐えられるわけないんだ。
オレは決めたんだ。もう二度とクラスの奴なんかに、彼女は傷つけさせないって。
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