「ありがとうねえ、お嬢ちゃん」
「いえ、これも修行の一貫だと思えば」
「偉いねえ。そういえば最近あのコを見かけないけど、どうかしたのかい?」
「あー…」
「やっぱりね」
「カ、カカシくん!?」
「読み通り、キミがオビトの代わりをしてたってわけだ」
「ばれ、ちゃったか」
「キミはオビトの内定を守ってるんだね?」
「…このままじゃ卒業できないからね。いつまでたっても。それだけは嫌でしょ?って、私が勝手にやってるだけなんだけど」
「ホントに一途なんだから」
「え!?わ、私は別にあんなやつ!!!決めた!!!もう手助けなんかしないから!!!」
「んなもん最初っから必要ねえよ!!!この性格ブス!!!」
「!!!」
「あーあ」
「オレは修行したくて手助けしてるわけじゃねえ!!!その言い訳を今から改めろ!!!それにな、オレは火影になる男だぞ!!!手助けされてなってるようじゃそんなの楽すぎるだろーが!!!」
「…私は、間違ってなんかない!!!」
「なに睨んでんだよ!!! 言い返すのか上等だ!!!言いたいことがあるなら言ってみろよ、今直ぐ!!!ハイどーぞ!!!」
「あんたなんか知らない!!!」
駈け出したツルギの瞳には思わず流れたであろう涙が。今までなんのために頑張ってきたのか、悔しさと情けなさに濡れた顔だった。
「お前、言い過ぎ」
「オレの事情に勝手に手を出したアイツが悪い。オレは悪くねー」
「悪くなくても悪いものは悪いの」
「リンまで…」
「何も女の子泣かせることはないんじゃない?行ってあげなよオビト。ツルギはオビトが好きなんだから」
「…んなの、ウザいだけだ」
「じゃあオレがリンを…冗談だって」
「カカシも冗談が言えるようになったんだね」
「どういう意味?リン」
「私、今結構本気にした」
「お前ら…だーっ分かったよ!!!行って謝ればいいんだろ!!!くっそー」
「そのいきそのいき」
「僕はカイトを見てくるかな。きっとアイツも1人だから」
「ミナモといないときはその確率が高いよね」
「行ってきなよ。こっちはこっちでなんとかしておくから」
「じゃあ、カイトを見つけたらそっちに合流するよ。木ノ葉の三波浪初顔合わせだ」
火影岩。
「…オビトのバカ。オビトのバカ。…私のバカ」
「何泣いてんだ!」
「…キミは、カイト…くん?」
「おっ、オレの名前知ってるなんてオレってば結構有名になってきたんだな!?」
「ていうか今日教室で縛られてたじゃん」
「あー…そうだったな。…お前、波紋ツルギだろ?」
「な、なんで私の名前を!?私そんなに有名だったかな」
「オレ、ずっと会いたかったんだってばぜ!!!でもここにアイツがいねーな!」
「あいつって…?」
「オレ達2人の苗字の一部を足すと幾つになるでしょう?」
「えーっと、2つ。んー、一部分ってどこだろ。波紋、波風…あ…あ~~~ッ!!」
「その通り!!!俺達はあの木ノ葉の三波浪の倅なんだってばぜぃ!」
「おい!」
カイトとツルギが盛り上がっている途中、例の客が現れた。
「オ、オビト…」
「よっ。何しに来た?能無し」
「う、うっせー!バカイトに用はねえんだよ!!!ツルギ、今日はオレが特別に謝ってやる!お前はいつかいい男にめぐまれる!!!その時まで我慢しろ!!!いや、その時までオレがこきつかってやるからな!!!」
「クスッ」
「なっ人が謝ってんのになんだよその態度は!」
「おい…それ謝ってるって言えるかってばぜぃ。でもツルギが泣き止んだのなら事件解決だな!」
「…」
「カイトくん!」
「ああ、分ってるってばぜぃ!」
「な、なんだ?どうした二人とも」
「気付かなかったの?私達、見られてる」
『月の国のドシャ殿の娘よ、我らとともに来てもらう』
「成る程、アナタ達が霧隠れで私が暗殺した頭領の使いの者だね?」
「ツ、ツルギが頭領を暗殺!?どういうことだよ!!!」
(フーン、うちはオビト。こいつツルギの事をホンっと何にも知らなかったんだな)
『お前の存在はこの世から完全に抹消したはずだった。しかし生きていた。血継限界の力で』
「波紋一族は血継限界が流れないっていう話だろ!?」
『輪廻眼だ。聞いたことくらいはあるだろう木ノ葉の少年達よ』
「り、輪廻眼!!!」
「何驚いてんだよ、能無し」
「お前だって知った風な口聞いてんじゃねーよバカイト!」
「オレは知ってたもんねー」
「は!?」
「私も開眼してからこの能力のことを調べてみたけど、いまいちよく分からなかった。目には何のチャクラの反応もないって白樺先生も言ってたし、きっと目以外のところに開眼したんだと思う」
「目…以外って」
オビトがおそるおそるツルギの胸を覗く。
「ドコ見てんのお前は」
「げっバカカシ!」
「首だよ、首」
「首ィ!?」
「あっれー、ミナモの奴一緒じゃねえのか!?」
「カイト探しに行っちゃったよ」
「ここは私達でなんとかするしかないね。リンは私の背後に隠れて」
「うん」
『使い物にならんモノを持っていても所詮は宝の持ち腐れ…今のキミ達では我々に触れることすら出来ないよ』
「それはどうかな!いくよ、カイトくん…カカシくん作戦会議だ」
「オイ!オレを忘れんじゃ無え!!!」
「「「あっ」」」
「ひっど!お前らひっっど!!!」
ツルギは儚く笑みをこぼしながら、オビトに1つこういった。
「オビトはリンを守ってあげて。こっちはこっちでなんとかしておくから」
「…そういうことなら任せろ!ツルギ!」
「頼もしいね、オビト」
「それだけツルギがオレの事信頼してるってことだろー」
「フフ、なんだかオビト嬉しそう」
「そ、そうか?」
(それだけ、ツルギが大事だってこと分かるもん)
『作戦会議は終わったか?』
「じゃあ、作戦通りに!!!」
その頃、ミナモはミナトの元を訪れていた。
「…やっぱりここにも来ていませんか」
「ああ。そうだ、カカシ達を知らないか?」
「オビトとツルギが喧嘩して――――」
「成程ね。多分、カイト達はあそこだよ」
「火影岩!でも、何故?」
「キミの瞳の動きからして、推測しただけだけどね」
「…アハハ」
「水遁:水牙弾!!!」
『アカデミー生が使えるような技ではない。我々の袖に触れるとはなかなかの逸材だ。だが、遅い!』
仮面の男がツルギの顔の近くまで踏み込んだ。クナイを首に当てる。
「ツ、ツルギ!!!」
「大丈夫だよ、オビト」
「ミ、ミナト先生!?オイ、ミナモ!」
「僕が呼んできたんだ。あれは多分――――」
『水分身か!』
「やるぅ♪っと、おせーぞミナモ!」
「悪かったよカイト。こっちもちょっと手間取ってしまってね」
カイトとミナモが揃った。カカシとオビトはリンを囲んで守りの体制に入る。
「それじゃあ、木ノ葉の三波浪。行くとしますか!」
(ついに見られるのか!数年ぶりに、あの人達のコンビネーションが!!!)
「どうしたんスか?ミナト先生!」
「オビト、カカシ、リン。これが僕が子どもだった頃に活躍した木ノ葉の英雄(の子どもだけど)…その戦いぶりを、しっかり見ておくんだよ」
「結晶・巨大六角手裏剣!!!」
『ッチィ!!!』
「カイトくん!!!こっちだよ!!!」
『そこか!!!』
「かかったね」
『こっちも水分身!? 晶遁の術はおとりか!!!』
「「「さーらーにィ!!!」」」
全員の掛け声(ミナト除く)に、カイトの螺旋丸が仮面の男につっこんだ。仮面の男は木々を粉砕して数十メートル先まで飛ばされた。
「気絶してるね」
カカシが確認する。ミナトが仮面の男の元に近寄り、ひょいっと体を持ち上げた。
「この人は僕が里の中心部に責任を持って連れて行くよ。オビトとカカシもよくリンを守ってくれた。カイト、ツルギ、ミナモ。キミ達もお疲れ様、今日のコンビネーション驚いたよ。流石ドシャさん達の子どもだ」
「へへっ」
「っふ」
「あは!」
帰り道、オビトはツルギだけを誘って寄り道をしながら歩いていた。
「なんか、ごめんな」
「え?」
「お前の事誤解してた」
「誤解って…何のこと?」
「だから!性格ブスとか言って悪かったなって話だよ!」
「あー、そのことか。別に?気にしてないし」
「ふーん?」
「あの、私の方こそ…ごめん」
「何が?」
「勝手に、世話焼いちゃってさ。自分だって優柔不断で危ないとこあるくせにね。なんか、情けないよ」
「お前なあ…もうちょっと自身もてよ!実力で言ったらアカデミー生のオレより暗部歴があるお前のほうが上だぜ!?確かに歳はオレと同じだけどさ。さっきの戦いだって凄かったぜ!?オレ感動したよ。自分より倍はある男ぶったおしちゃうんだもんな!そんな事できる女子ってアカデミーにいないぜ。いるとしたら先生くらい!」
「それって褒めてるの…?」
「…ま!いざとなったらオレがお嫁にもらってやるから安心しろよ!」
「結構です」
「ひどっ」
影でオビト達の行方を見守っていたカカシ達は。
(今ツルギの奴かるくオビトを振ったよね?)
(言葉の綾だよ。照れてるの分かんないの?)
(いや?わからん)
(((バカイトは黙ってろ)))
(ひどっ)
ぶーたれてるオビトを置いてツルギはスタスタと実家へ向かった。
「なぁ…せっかく二人っきりで歩いてんのにその態度はねーんじゃねーの?」
「二人っきり?どこが」
「ま…また敵か!?」
「クスクスッ。違うってばね」
「クシナ姉…隠れてたの?」
「あんた達が可愛いから邪魔したくなかったんだってばね!今日はツルギがオビトに初めて手料理を作るってはりきってたから見に来ただけだってばね」
「でもさー。クシナ姉ちゃん!こいつオレが嫁にもらうっていったら拒否ったんだぜ!有り難み沸かねえっつの」
「…ふーん?じゃあなんで目の前にいる人はこんなに顔が赤くなってるんだってばね?」
「熱か!?布団敷くから待ってろ!!!」
「このオバカ」
「なっなんだよクシナ姉ちゃん!!!殴ることないだろ―」
「だって…急にもらうとか…嫁とか…もう!人前で恥ずかしいでしょ!!!」
「なんだと!?(照れ隠しだったのかよちくしょう!!!)」
「あっ買い物して来なくちゃ!!!メモメモ!!!クシナ姉はオビト見てて!!!」
「ハイハイ」
「…ツルギの作った飯、くえんのか?」
「そーいうことは食べるときのお楽しみにしておくんだってばね!」
「いえ、これも修行の一貫だと思えば」
「偉いねえ。そういえば最近あのコを見かけないけど、どうかしたのかい?」
「あー…」
「やっぱりね」
「カ、カカシくん!?」
「読み通り、キミがオビトの代わりをしてたってわけだ」
「ばれ、ちゃったか」
「キミはオビトの内定を守ってるんだね?」
「…このままじゃ卒業できないからね。いつまでたっても。それだけは嫌でしょ?って、私が勝手にやってるだけなんだけど」
「ホントに一途なんだから」
「え!?わ、私は別にあんなやつ!!!決めた!!!もう手助けなんかしないから!!!」
「んなもん最初っから必要ねえよ!!!この性格ブス!!!」
「!!!」
「あーあ」
「オレは修行したくて手助けしてるわけじゃねえ!!!その言い訳を今から改めろ!!!それにな、オレは火影になる男だぞ!!!手助けされてなってるようじゃそんなの楽すぎるだろーが!!!」
「…私は、間違ってなんかない!!!」
「なに睨んでんだよ!!! 言い返すのか上等だ!!!言いたいことがあるなら言ってみろよ、今直ぐ!!!ハイどーぞ!!!」
「あんたなんか知らない!!!」
駈け出したツルギの瞳には思わず流れたであろう涙が。今までなんのために頑張ってきたのか、悔しさと情けなさに濡れた顔だった。
「お前、言い過ぎ」
「オレの事情に勝手に手を出したアイツが悪い。オレは悪くねー」
「悪くなくても悪いものは悪いの」
「リンまで…」
「何も女の子泣かせることはないんじゃない?行ってあげなよオビト。ツルギはオビトが好きなんだから」
「…んなの、ウザいだけだ」
「じゃあオレがリンを…冗談だって」
「カカシも冗談が言えるようになったんだね」
「どういう意味?リン」
「私、今結構本気にした」
「お前ら…だーっ分かったよ!!!行って謝ればいいんだろ!!!くっそー」
「そのいきそのいき」
「僕はカイトを見てくるかな。きっとアイツも1人だから」
「ミナモといないときはその確率が高いよね」
「行ってきなよ。こっちはこっちでなんとかしておくから」
「じゃあ、カイトを見つけたらそっちに合流するよ。木ノ葉の三波浪初顔合わせだ」
火影岩。
「…オビトのバカ。オビトのバカ。…私のバカ」
「何泣いてんだ!」
「…キミは、カイト…くん?」
「おっ、オレの名前知ってるなんてオレってば結構有名になってきたんだな!?」
「ていうか今日教室で縛られてたじゃん」
「あー…そうだったな。…お前、波紋ツルギだろ?」
「な、なんで私の名前を!?私そんなに有名だったかな」
「オレ、ずっと会いたかったんだってばぜ!!!でもここにアイツがいねーな!」
「あいつって…?」
「オレ達2人の苗字の一部を足すと幾つになるでしょう?」
「えーっと、2つ。んー、一部分ってどこだろ。波紋、波風…あ…あ~~~ッ!!」
「その通り!!!俺達はあの木ノ葉の三波浪の倅なんだってばぜぃ!」
「おい!」
カイトとツルギが盛り上がっている途中、例の客が現れた。
「オ、オビト…」
「よっ。何しに来た?能無し」
「う、うっせー!バカイトに用はねえんだよ!!!ツルギ、今日はオレが特別に謝ってやる!お前はいつかいい男にめぐまれる!!!その時まで我慢しろ!!!いや、その時までオレがこきつかってやるからな!!!」
「クスッ」
「なっ人が謝ってんのになんだよその態度は!」
「おい…それ謝ってるって言えるかってばぜぃ。でもツルギが泣き止んだのなら事件解決だな!」
「…」
「カイトくん!」
「ああ、分ってるってばぜぃ!」
「な、なんだ?どうした二人とも」
「気付かなかったの?私達、見られてる」
『月の国のドシャ殿の娘よ、我らとともに来てもらう』
「成る程、アナタ達が霧隠れで私が暗殺した頭領の使いの者だね?」
「ツ、ツルギが頭領を暗殺!?どういうことだよ!!!」
(フーン、うちはオビト。こいつツルギの事をホンっと何にも知らなかったんだな)
『お前の存在はこの世から完全に抹消したはずだった。しかし生きていた。血継限界の力で』
「波紋一族は血継限界が流れないっていう話だろ!?」
『輪廻眼だ。聞いたことくらいはあるだろう木ノ葉の少年達よ』
「り、輪廻眼!!!」
「何驚いてんだよ、能無し」
「お前だって知った風な口聞いてんじゃねーよバカイト!」
「オレは知ってたもんねー」
「は!?」
「私も開眼してからこの能力のことを調べてみたけど、いまいちよく分からなかった。目には何のチャクラの反応もないって白樺先生も言ってたし、きっと目以外のところに開眼したんだと思う」
「目…以外って」
オビトがおそるおそるツルギの胸を覗く。
「ドコ見てんのお前は」
「げっバカカシ!」
「首だよ、首」
「首ィ!?」
「あっれー、ミナモの奴一緒じゃねえのか!?」
「カイト探しに行っちゃったよ」
「ここは私達でなんとかするしかないね。リンは私の背後に隠れて」
「うん」
『使い物にならんモノを持っていても所詮は宝の持ち腐れ…今のキミ達では我々に触れることすら出来ないよ』
「それはどうかな!いくよ、カイトくん…カカシくん作戦会議だ」
「オイ!オレを忘れんじゃ無え!!!」
「「「あっ」」」
「ひっど!お前らひっっど!!!」
ツルギは儚く笑みをこぼしながら、オビトに1つこういった。
「オビトはリンを守ってあげて。こっちはこっちでなんとかしておくから」
「…そういうことなら任せろ!ツルギ!」
「頼もしいね、オビト」
「それだけツルギがオレの事信頼してるってことだろー」
「フフ、なんだかオビト嬉しそう」
「そ、そうか?」
(それだけ、ツルギが大事だってこと分かるもん)
『作戦会議は終わったか?』
「じゃあ、作戦通りに!!!」
その頃、ミナモはミナトの元を訪れていた。
「…やっぱりここにも来ていませんか」
「ああ。そうだ、カカシ達を知らないか?」
「オビトとツルギが喧嘩して――――」
「成程ね。多分、カイト達はあそこだよ」
「火影岩!でも、何故?」
「キミの瞳の動きからして、推測しただけだけどね」
「…アハハ」
「水遁:水牙弾!!!」
『アカデミー生が使えるような技ではない。我々の袖に触れるとはなかなかの逸材だ。だが、遅い!』
仮面の男がツルギの顔の近くまで踏み込んだ。クナイを首に当てる。
「ツ、ツルギ!!!」
「大丈夫だよ、オビト」
「ミ、ミナト先生!?オイ、ミナモ!」
「僕が呼んできたんだ。あれは多分――――」
『水分身か!』
「やるぅ♪っと、おせーぞミナモ!」
「悪かったよカイト。こっちもちょっと手間取ってしまってね」
カイトとミナモが揃った。カカシとオビトはリンを囲んで守りの体制に入る。
「それじゃあ、木ノ葉の三波浪。行くとしますか!」
(ついに見られるのか!数年ぶりに、あの人達のコンビネーションが!!!)
「どうしたんスか?ミナト先生!」
「オビト、カカシ、リン。これが僕が子どもだった頃に活躍した木ノ葉の英雄(の子どもだけど)…その戦いぶりを、しっかり見ておくんだよ」
「結晶・巨大六角手裏剣!!!」
『ッチィ!!!』
「カイトくん!!!こっちだよ!!!」
『そこか!!!』
「かかったね」
『こっちも水分身!? 晶遁の術はおとりか!!!』
「「「さーらーにィ!!!」」」
全員の掛け声(ミナト除く)に、カイトの螺旋丸が仮面の男につっこんだ。仮面の男は木々を粉砕して数十メートル先まで飛ばされた。
「気絶してるね」
カカシが確認する。ミナトが仮面の男の元に近寄り、ひょいっと体を持ち上げた。
「この人は僕が里の中心部に責任を持って連れて行くよ。オビトとカカシもよくリンを守ってくれた。カイト、ツルギ、ミナモ。キミ達もお疲れ様、今日のコンビネーション驚いたよ。流石ドシャさん達の子どもだ」
「へへっ」
「っふ」
「あは!」
帰り道、オビトはツルギだけを誘って寄り道をしながら歩いていた。
「なんか、ごめんな」
「え?」
「お前の事誤解してた」
「誤解って…何のこと?」
「だから!性格ブスとか言って悪かったなって話だよ!」
「あー、そのことか。別に?気にしてないし」
「ふーん?」
「あの、私の方こそ…ごめん」
「何が?」
「勝手に、世話焼いちゃってさ。自分だって優柔不断で危ないとこあるくせにね。なんか、情けないよ」
「お前なあ…もうちょっと自身もてよ!実力で言ったらアカデミー生のオレより暗部歴があるお前のほうが上だぜ!?確かに歳はオレと同じだけどさ。さっきの戦いだって凄かったぜ!?オレ感動したよ。自分より倍はある男ぶったおしちゃうんだもんな!そんな事できる女子ってアカデミーにいないぜ。いるとしたら先生くらい!」
「それって褒めてるの…?」
「…ま!いざとなったらオレがお嫁にもらってやるから安心しろよ!」
「結構です」
「ひどっ」
影でオビト達の行方を見守っていたカカシ達は。
(今ツルギの奴かるくオビトを振ったよね?)
(言葉の綾だよ。照れてるの分かんないの?)
(いや?わからん)
(((バカイトは黙ってろ)))
(ひどっ)
ぶーたれてるオビトを置いてツルギはスタスタと実家へ向かった。
「なぁ…せっかく二人っきりで歩いてんのにその態度はねーんじゃねーの?」
「二人っきり?どこが」
「ま…また敵か!?」
「クスクスッ。違うってばね」
「クシナ姉…隠れてたの?」
「あんた達が可愛いから邪魔したくなかったんだってばね!今日はツルギがオビトに初めて手料理を作るってはりきってたから見に来ただけだってばね」
「でもさー。クシナ姉ちゃん!こいつオレが嫁にもらうっていったら拒否ったんだぜ!有り難み沸かねえっつの」
「…ふーん?じゃあなんで目の前にいる人はこんなに顔が赤くなってるんだってばね?」
「熱か!?布団敷くから待ってろ!!!」
「このオバカ」
「なっなんだよクシナ姉ちゃん!!!殴ることないだろ―」
「だって…急にもらうとか…嫁とか…もう!人前で恥ずかしいでしょ!!!」
「なんだと!?(照れ隠しだったのかよちくしょう!!!)」
「あっ買い物して来なくちゃ!!!メモメモ!!!クシナ姉はオビト見てて!!!」
「ハイハイ」
「…ツルギの作った飯、くえんのか?」
「そーいうことは食べるときのお楽しみにしておくんだってばね!」
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